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中国テック業界に激震!?中国政府がネット検閲を強化中

2017.08.31
Category: 翻訳記事
執筆者/編集担当者: arata

はじめに

 
この記事では、
中国政府がネット検閲を強化している最新事情を
お届けすると共に、テック企業の中でも特に
規制強化の影響を大きく受けている
3つの事業領域について
まとめたいと思います。
 
・ゲーム
・ライブストリーム
・クラウドストレージ
の事業者に関しては、
ここ数ヶ月で
規制(ルール)が大きく変わったので、
整理の上、把握しておく事をお勧めします。

 

中国政府はネット検閲を強化中

これまで、
ほとんどの中国テック企業は
自社事業が一定の規模に達して、
必然的に政府の関連部局との
関係が出来る時点までは、
自主的な検閲対応に
取り組む必要はありませんでした。
 

しかし、近年、
成長前の中国テック企業でも
検閲の標的になっている事例が
より多くなっています。
 

検閲の標的になるのは、
GoogleやFacebookのような
外国企業だけではなく、
地元で育った中国テック企業も同様です。
 

習近平主席が提唱する
“「清潔できれいで健康的な」サイバー世界”
というモットーにのっとり、
中国の検閲強化はより
厳しくなっています。
 

検閲対応は事業者から見ると大きな負担

例えば、
日に日に厳しさを増す
仮想プライベートネットワーク(VPN)への
規制は、グレート・ファイアウォール
(中国の検閲システム)
と対峙している多くのソフトウェア開発者に対して、
検閲に人的リソースを
投下しなければいけないという
負担を強いています。
 

中国テック企業と彼らが運営するコンテンツの
影響力が大きくなるにつれ、
監視がさらに強化されています。
 

オンラインストリーミングプラットフォームや
WeChatの公式アカウントの運営者は、
アカウントを抹消されないように
有名人のゴシップ、同性愛、
および最近ではいわゆる政治的な内容などを
避けるよう注意する必要があります。
 

海外ユーザーと国内ユーザーの両方を扱う
中国テック企業では、
異なるユーザーセグメントごとに
検閲を行うというさらに複雑な作業を
行っています。
 

WeChatを運営するTencentでも、
不適切なコンテンツがないか
自主的にチェックを行い、
検閲作業対応に多くのリソースを割いています。
 

中国の人気ソーシャルメッセージングアプリの
ユーザーは、海外旅行中も継続して
コンテンツの検閲を受けています。

 
 
 

ゲーム領域

 

参照元:Tech in Asia
Image credit: Tencent.
 
Tencentが運営するゲームタイトル
「Kings of Honors」は歴史を歪曲して
若いユーザーへの悪影響を及ぼしたとして、
国有メディアのPeople’s Dailyによって
非難されました。
 

中国のゲーム業界も、
全く努力をしていないわけではありません。
 

「World of Warcraft」
「Defense of the Ancients」
のような国際的なゲームのグラフィックは、
中国市場の事情に合わせて、
ゲーム会社が自主的な検閲対応をした結果、
オリジナル版とはかなり異なった
グラフィックでリリースをされました。
中国のゲーム会社側も努力はしています。
 

ただ、
検閲による制限は、直近1年間で、
さらに厳しくなりました。
 

中国の
国家新聞出版広電総局(SAPPRFT)は、
すべてのモバイルゲーム開発者に、
事前承認のため、発売開始の20日以上前に
ゲーム内容を提出するようを要求する規則を
発表しました。
 
 

“独立系および中小のゲーム開発者はすべて市場から駆逐?”

 
この規制が実施されるや否や、
モバイルゲーム業界からの反発/批判の声が
高まり始めました。
 

ゲーム発売日は次々と延期になり、
「mission start」のような幾つかのゲームは
「英語を使用している」という理由で
却下されたとの事です。
 

あるゲーム開発者はSAPPRFTを告訴、
Six Toneとのインタビューでは、
「これらの新しい規制によって、
すべての独立ゲーム開発者及び
一部のゲーム開発企業は
生き残りの希望もないまま、
市場から駆逐されるでしょう。」
と語りました。
 
 

“大手ゲーム会社も影響を受けているか?”

 
TencentやNeteaseのような
大手ゲーム会社にとっては、
SAPPRFTの査定方針が
ビジネスに及ぼす影響は不明です。
 

大手のゲーム会社関係者が政府の規制を
受けなかったわけではありません。
 

2017年7月、国営メディアのPeople’s Daily誌は
Tencentの人気ゲームである
「Kings of Honors」を「毒」と呼び、
「このゲームは歴史を歪曲して
若いユーザーに悪影響を与えている。」
との批判をしていました。
 

この批判への対策として、Tencentは、
12歳以下の子供のゲームプレイに
規制を設けることを始めました。
 

しかしながら、この批判の影響は避けられず、
批判の公表後わずか4日間で
Tencentの株価が
4パーセント(14億ドル分)も下落。
 

昨年度ベースで見ると、
ゲーム収入は
Tencentの総収入の47%を占めており、
収入面で見るとゲーム事業は、
Tencentの稼ぎ頭の事業領域です。
経営へのインパクトは小さいとは言えません。
 
 
 

ライブストリーミング領域

 

参照元:Tech in Asia
 

中国のライブストリーミング市場規模は
数十億ドル。
 

数百のライブストリーミングアプリの
新規参入と共に
既存のサービスの事業ピボットも促進しました。
 

デートアプリであったMomoは、
収入の大半をライブストリーミングから
稼ぎ出しています。
これまでとは、収益モデルが変わりました。
 

ライブストリーミング事業収益のおかげで、
同社の収益は昨年度に500%以上の
飛躍的増加を見せました。
 
 

“Weiboの市場価格評価が大きく下落した事件?”

 
ライブストリーミング分野では
政府による
多くの監視が行われています。
 

2017年6月、SAPPRFTは、
中国版Twitterである
Sina Weiboを含む3社に対し、
ライブストリーム機能の停止を命じました。
 

その直後、Weiboの株価は
大きく下落しました。
 

政府の独断に委ねられる規制ルール

 
2017年4月には、
中国サイバースペース管理局(CAC)が、
・軍や警察の制服を着た
 ライブストリーミングホスト
・猥褻な放送コンテンツ
など、
 

違法コンテンツに関わる
ライブストリーミングアプリを
シャットダウンしました。
 

規制の多くは、
女性がカメラに向かってバナナを意味ありげに
食べているなどの
卑猥なコンテンツを
根絶することに重点を置いています。
 

結局のところ、
卑猥なポルノコンテンツは
ライブストリーミングや
世界中の
オンラインメディアプラットフォームが
制御しようとするものです。
 

その観点だけで見ると、
中国の検閲が特殊とは言えません。
 

しかし、中国における
CACの規制ルールは、
・国家の安全を危うくする
・社会の安定を損なう
・社会的秩序を乱す
・他人の権利を侵害する
・ポルノコンテンツ
上記にあたる
ライブストリーミングプラットフォームを
禁じています。
 

ポルノの識別は簡単かも知れません。
ただ、”社会秩序を乱す事”の定義は
政府規制当局の
解釈に依存する可能性が高いと思われます。
非常に対応が難しいと言えるでしょう。
 

事業者は
ライブストリーミングホストの実名と
電話番号を登録させるというルールを
課せられていますが、
これは、
ポルノ防止以外の広範な意味合いを持つ
可能性があります。
 

この規制(ルール)は
事業者にとっては、
正規のライセンスを取得し、
ストリーミングされたコンテンツについては、
事業者の責任で検閲する必要がある
という事を意味するかもしれません。
 

ゲーム分野のように、
ライブストリーミング分野の規制は
参入障壁を高め、
業界への参入コストを増大させました。
 
ライブストリーミング事業者は、
これまでには発生していなかった
検閲対応にかかるコストを
計算して事業を営まないといけないでしょう。
 
 
 

クラウドストレージ領域

 
1-2年以上前までは、
中国のクラウドストレージサービスは
その多くが無料でした。
 

また、多くのクラウドストレージサービスがある
中国では、ユーザーがアカウント間で
コンテンツを公開で共有したり
検索したりすることが可能であり、
これは豊富にあるビデオ、ドキュメント、
音楽にアクセス出来るということを
意味していました。
 

2016年3月頃から、
これらのサービスの多くが規制に直面し、
部分的にまたは完全に閉鎖されていっています。
 

中国政府の規制に従って、
コンテンツ共有等の機能を停止するか、
もしくは、サービス自体を中止するか、
選択を迫られています。
 

TencentのWeiyunなどの一部のプロバイダは、
コンテンツ共有機能を遮断する道を
選択しましたが、
 

他の企業はAlibabaの
クラウドストレージサービスである
UC Net Diskのような業務を
完全にシャットダウンすることに決めました。
 

特に、アップロードされたすべてのコンテンツと
共有ファイルを監視する事は難しく、
管理コストとリスクが高騰した結果、
クラウドストレージサービスは、
事業者にとって、
非常に難しいビジネス領域になりました。
 

2016年末までに、
HuaweiとQihoo360が運営する
クラウドストレージプロバイダを含む
クラウドストレージプロバイダトップ10の
多くが、その摘発に対応してサービスを
終了または変更しました。
 

中国では、「違法コンテンツ」とみなされる
コンテンツの性質が変化します。
 

政治情勢に応じて、
・ろうそく絵文字
・韓国のポップミュージック
・くまのプーさん
に至るまで、
ブラックリストとされる可能性があるのです。
 
 
 

最後に

 
やはり、中国という市場は特殊であり、
規制やルールの変化のスピードも早いですね。
 

今回は、
・ゲーム
・ライブストリーム
・クラウドストレージ
の市場周辺の変化についての記事でしたが、
それ以外の市場についても、
変化のスピードが大変早いです。
 

この後、
大きな市場変化が生じる領域もあるでしょう。
 

中国市場における
マーケティング活動においては、
規制やルールの変化に迅速に対応できる
組織体制の構築が求められると思います。
 
また、
中国市場の参入においては、
規制(ルール)変更はあるものと覚悟の上で、
市場参入する事が求められるでしょう。
 

 
 
 

ADKによる中国市場ウェブマーケティングサービスについて

 

ADKでは、中国市場における
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お問合せフォームよりお問い合わせ頂けると幸甚です。

   

参考記事はこちら
After Facebook and Google, Chinese tech companies are feeling the heat from censors

「この記事はtechinasia.comの許諾を得て編集/翻訳(抄訳)/執筆しています。」

 

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