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中国語のフォントライセンスに要注意!

2017.12.18
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima


 

はじめに

 
中国では
「フォントの著作権問題」が
話題になっています。
 
天猫(T-mall)などで
ECサイトを運営している人に
北京北大方正電子有限公司
(以下、方正電子)から
「方正電子のフォントを無断使用しており
ただちにライセンス料を支払うこと」
 
「支払わなければ訴える」という
通知が届く事例が頻出しているようです。
 
 
 

突然ライセンス料の請求が届く!

 
ECサイトなどで
何気なく方正電子のフォントを使って、
突然、高額のライセンス料の請求が届き
対応に困っている内容、
 
「通知を受け取ったら
どのように対応するか」などの
相談や論争が
SNSやブログに散見されています。
 
方正電子は、
北京大学が100%出資した企業で
現在、中国語の印刷製版システムでは
世界で80%のシェアを有する
巨大な中国語フォント供給元です。
 
中国国家が認証する
標準書体の制作・販売をしており、
中国のほとんどのマスメディア関係や
政府関係機関が
方正電子のフォントを使用しています。
 
Apple社のMac OSや
Microsoft社のWindowsにも
標準搭載されています。
 
 
 

過去のフォント著作権をめぐる裁判

 

方正電子の訴訟 2例

 
方正電子は
過去にもフォントの使用をめぐる
訴訟を起こしています。
 
有名なのは、
2008年から3年余りの期間で、
日用品の世界的メーカー
P&G社と争った裁判です。
 
これはP&G社が
ヘアケア商品のロゴに使用した
「飄柔」の書体について、
著作権法違反だと
方正電子が提訴した事件で、
二審まで争われました。
 
また、世界的な大ヒットになった
オンラインゲーム「World of Warcraft」の
中国語版に、
フォントが無断使用されているとし
方正電子がゲームメーカーの
ブリザードエンターテインメント社に
賠償を請求した事件もありました。
 
 

最高人民法院の下した判決は!

 
この事件に対し
最高人民法院は、
「文字データベースは
法的にはコンピュータープログラムに該当する」
 
「フォントの使用は
表現・情報伝達の手段の場合は、
そのフォントが著作権を侵害しない」
 
「一文字単位の著作権法上の美術作品性は
個別に判断する必要がある」という判決を
2012年5月に下しました。
 
こうして結果的には、
どの訴訟も方正電子の訴えは却下されました。
 
最高人民法院で司法判断が下されたことで
この問題も区切りがついたと思われましたが
方正電子は最近
EC業者をターゲットにするかのように、
フォントの無断使用に対し
厳しい姿勢を示しています。
 
これはEC業者が増加したことと、
フォントの使用状況が認識しやすくなったことを
表しているのかもしれません。
 
 
 

OS標準搭載のフォントでも有償の場合あり!

 
OSに標準搭載されているフォントを
配布や転売する場合は権利の侵害になるが、
ロゴのデザインに使ったり
サイトで商用に使う場合は
権利の侵害には当たらないという考えが
一般的ではないでしょうか。
 
 

方正電子のフォント使用に関する方針

 
方正電子では、
フォントを商用利用する場合の
許可に関した方針を公表しています。
 
それによると、自社で開発したフォントを
「フリー」「基本」「精選」の3書体に分類し、
ライセンス取得の規定を明確にしています。
 
さらに許可するタイプに応じて
ライセンス取得料金を細かく規定しています。
無償で使用できる「無料書体」は
「方正黒体」「方正書宋」「方正仿宋」
「方正楷体」の4書体のみです。
 
これ以外の「基本書体」と
「精選書体」に区別したフォントを
商用で利用する場合は
全て有償になるので要注意です。
 
 

OS標準搭載のフォントでも要注意!

 
Windows に標準搭載されている
「微軟雅黒(Microsoft YaHei)」や
Mac OSに搭載されている
「蘭亭黒体(Lantinghei)」の著作権は
方正電子の所有となるため、
同社の規定が適用されます。
 
蘭亭黒体と微軟雅黒は
「無料書体」ではないので
ライセンス(有償)が必要です。
 
方正電子は
「フォントのデザインを商用利用する場合、
ライセンスの取得が必須」という見解です。
 
 
 

まとめ

 
中国のフォント著作権問題は
他人事ではありません。
 
OSに標準搭載されたフォントだから
ライセンス問題は発生しないと安心していたら、
中国においては
ライセンス違反になる可能性もあり得ます。
 
フォントに関する
権利侵害問題の発生を避けるには、
使用したいフォントの
ライセンス規定を確認することが不可欠です。
 
自社のオフィシャルサイトや
ECサイトのロゴなどをデザインする段階で
フォントのライセンス取得の可否や
無断利用にならないかの確認が必要です。
 
ライセンス規定が明確でなければ、
ライセンスの取得が必要か否か
フォント供給元と話し合う必要があります。
 
また、利用可能な無料フォントもあるので、
それらを使うことも
ライセンス違反を回避する方法と言えます。
 
 
 

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