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大丈夫か日本企業!サイバーセキュリティー法の影響

2018.01.26
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

中国商務部 ECと情報部門が発表した
「中国電子商務報告2016」によると
2016年中国EC市場の全流通総額は
26.1兆元(約420兆円)で
前年比19.8%増となり
世界EC市場の39%を占めています。
 
オンラインユーザーは7億人超で
中国人の53%が利用し
この内モバイルを利用して
買物をするユーザーは
4億4千万人に達しています。
 
そんな中国で
2017年6月1日から
「中国サイバーセキュリティ法」が
施行されました。
 
この法律は
中国に進出する日本企業にも
影響を及ぼすと考えられます。
 
 
 

中国サイバーセキュリティ法とは

 

法整備の経緯

 
中国のインターネット市場は
成長が期待される有望な市場ですが
中国には
インターネット分野の
安全を保障する法律が
整備されていませんでした。
 
そこで、2015年に
中央サイバーセキュリティ・情報化指導小組が
組織され、
草案が、同年6月に
全国人民代表大会で審議し
2016年11月に法案が可決されました。
 
そして、2017年6月1日に
「中華人民共和国網絡安全法」
いわゆる『中国サイバーセキュリティ法』が
施行されました。
 
 

中国サイバーセキュリティ法の目的

 
中国サイバーセキュリティ法の目的は
「サイバー空間における主権、
国家の安全および社会の公的利益を
維持するとともに、
市民・法人・その他の組織の合法的権益を保護し
経済社会の健全な情報化を推進する」
と第一条に定められています。
 
 

懸念される日本企業への悪影響

 
この法律の対象になる
「情報ネットワーク運営者」とは
情報ネットワークの所有者・管理者
及び情報ネットワークサービス提供者のことで
多くの企業が該当することになります。
 
このことは、多くの在中国日本企業に
この法律が適用されることになります。
 
法律に違反すると罰金が課せられたり
重い場合は
・違法行為で得た利益の没収
・関連する事業の停止
・事業の許認可の取消し
・運営者に対する罰金
などの制裁が予想されます。
 
 
 

日本企業の認識と対応

 

調査の概要

 
リスクサービスを提供する
デロイト トーマツ リスクサービス社は
2017年6月から施行された
中国サイバーセキュリティ法について
日本企業の対応状況を調査し発表しました。
 
調査機関  2017年4月21日~28日
回答会社数 100社
 
回答した会社の70%は
海外進出が多い製造業で
売上げが1,000億円を超える企業が
全体の3分の1を占めていました。
 
 

中国サイバーセキュリティ法の認知度

 
「中国サイバーセキュリティ法を
知っているか」の質問に対しての回答
 
名前も内容も知っている       9.4%
名前は知っているが内容を知らない  43.4%
名前も内容も知らない        47.2%
 

回答した会社の80%は中国で事業を展開中で
76%の会社は
中国に事業所か支社を置いています。
 
施行目前に迫ったサイバーセキュリティ法に対する
日本企業の認知度の低さが判明しました。
 
 

中国サイバーセキュリティ法への対応

 
中国国内で事業を展開し
中国サイバーセキュリティ法の
内容を知っている企業に
同法に対する対応を質問した結果
 
同法への対応を
実施済みの企業は1社のみでした。
 
「対策を実施すべく検討中」か
「実施要否に向け情報収集中」が53%
また、「対策を行う予定はない」が
10%程度ありました。
 
この回答結果から
情報収集中か、検討中の企業が過半数を占め
対策を実施している会社はごく少数でした。
 
対策を予定してない企業は
同法の影響が少ないと考えたり
どこまで厳格に運用されるか
不明だと判断しているようです。
 
全般的に、当局の動向を様子見する企業が多く
これは、同法に対する具体的な情報が
不足しているためだと考えられます。
 
 
 

中国サイバーセキュリティ法に対する欧米と日本の温度差

 
同法に対する姿勢に
欧米諸国と日本に温度差が見られます。
 
欧米諸国では
同法に対して懸念する声が速い時期に出ており
イギリスの「フィナンシャル・タイムズ」は
施行翌日に社説で
「市民の言論と思想の統制の強化だけでなく、
グローバル企業が中国で操業する際の
非関税障壁となる」
 
「その保護主義的な姿勢は
中国企業の国際競争力も奪いかねない」
と厳しく批判しています。
 
これに対し日本では
前述の調査結果で見られるように
企業の関心が低い状況です。
多くの日本企業が
情報収集で足踏みしていて
欧米に比べ、その動きは鈍いと言えます。
 
 
 

まとめ

 
これまでの中国では
当局の見解や恣意性に
左右される傾向が見られました。
 
また、中国における立法手続きは
漠然とした包括的な条文でまず法制化し
期間をかけて運用して
細則の整備をするケースが大半でした。
 
これらの経緯から
今回施行された中国サイバーセキュリティ法の
不透明性が深まっています。
 
このような状況ですが
同法の定める猶予期間は
2018年中であり、
残された時間は多くありません。
 
このため、該当する日本企業は
違反に対する罰則と
当局からの制裁を受けた場合の
風評リスクも考えておくことが必要です。
 
当局の指導や細則の発表を待つのではなく
日本側や中国の拠点でも
中国サイバーセキュリティ法に関わる
当局と他企業の動向を把握し
情報収集に努めることが必要です。
 
現時点で自社ができる対策からスタートして
万全の準備をすることが重要だと考えられます。
 
 
 

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