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76億ドル(約8,000億円)を超える中国ナプキン市場

2018.03.26
Category: 翻訳記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国広東省在住の実業家
サイモン・ライ氏が
2018年、米ロサンゼルスで
50万ドル(約5,200万円)相当の
女性用衛生用品を買い付けました。
 
そして、商品を中国まではるばる輸送し、
利幅を大きく上乗せして
販売すると見られています。
 
サイモン・ライ氏は、
アリババグループのeコマースサイト、
タオバオに出店する中国人の一人です。
 
同氏のECサイトPuff Houseでは、
パーソナルケア商品を
専門に取り扱っています。
 
同社は
2017年6月から2018年の1月までで
18万ドル(約1,900万円)相当の
輸入タンポンを売り上げ、
eコマースプラットフォームでの
タンポン製品販売でナンバーワンとなりました。
 
 
 

中国 タンポン市場の成長はあるのか

 

中国で伸び悩んでいた市場

 
現在ライ氏は、
収益性の高い
隙間市場を埋めている状態です。
 
中国の消費者は
スターバックスコーヒーも含め、
欧米の商品を受け入れてきました。
 
しかし、デオドラント製品、
香水、衣類、タンポンなどは
売り上げは芳しくありません。
 
古くからの文化的慣習が今も残っており
でたらめな迷信が信じられているためです。
 
 

売上げは伸びてはいるが!

 
ロンドンの市場調査会社ミンテルによると、
2013年、中国でのタンポンの売り上げは
1億9千万ドル(約200億円)だと言います。
 
前年比で8.7%の上昇にも関わらず、
中で76億ドル(約8,000億円)の
生理用ナプキン市場の
2.5%にしかなりません。
 
 

中国では生産されてない背景

 
昨年中国で生産された生理用ナプキンは
850億ドル(約9兆円)にのぼりますが、
タンポンが
中国で作られたという報告はありません。
 
これは、社会的事情が背景にあるためです。
中国では性教育が普及しておらず、
家庭で女性用衛生品について
口にすることも文化的にありません。
 
そのため、タンポンを使うことで
処女膜を失ってしまい、
性行為をする前に
処女でなくなってしまうと考えている女性が
実際に多く存在するのです。
 
 

生理用品のCMの制約

 
中国の月経に対する考え方も、
女性がタンポンのような衛生用品から
遠のく原因となっています。
 
一方、中国の報道規制担当は、
昼時やゴールデンタイムにテレビでの
女性の生理用品の宣伝を禁じています。
 
これは人ぞれぞれだとは思いますが、
宣伝を禁じる理由として、
女性の月経に関する話題は
人々の気分を害すると考えられており、
視聴者がテレビから
目を背けるだろうということを上げています。
 
 
 

中国の女性消費者は考え方が進歩している

 

変化する中国女性の考え方

 
しかい、中国初の性科学者のリー氏によると、
考え方は変化しているようです。
 
1989年以前は、
結婚前に性行為を行う人は
15%ほどしかいませんでしたが、
2013年には
71%にまで上昇していると述べています。
 
これは、若いリベラルな女性の貞操観念が薄れ
自由に振る舞うようになったこと、
中国国内でこれまでとは違った考えを持つ
若い女性が多くなったためでしょう。
 
ただ、都市部では
性に対する考え方が自由になってきていますが、
田舎では
未だに「処女崇拝」が存在しています。
 
 

中国ではタンポンは生産価値がないと考える企業

 
中国大手生理用ナプキンメーカー、
Ladycareのユアン・ロン販売部長は、
中国のタンポン市場は
未成熟で生産価値がないと話します。
 
需要が高まるまで
生産の必要はないのだそうです。
 
ジョンソン&ジョンソンのo.b.タンポンは
1993年に中国に初上陸し、
いまだに中国で販売されている
唯一の商品です。
 
ただ、たいていは
大手ドラッグストアのマニングスや、
外資系スーパーの
ウォルマートのような
高級店に置かれています。
 
 

高まってきた関心

 
北京のマニングスで働くリュー・リーさんは、
タンポン製品への
関心は高まってきていると話します。
 
一年前は
一か月に6箱しか売れなかったタンポン製品が
現在は一週間で
6箱売れるようになったというのです。
 
世界市場への影響はほとんどありませんが、
確実に変化が生じていると言えるでしょう。
 
ただライ氏によると、
タンポンを購入する女性のほとんどは
海外在住経験のある若い人で、
彼女達の多くは、
タンポンを使うのは結婚してからにするよう
母親に言われているようです。
 
このように、タンポンのせいで
処女ではなくなるなどという間違った考えが、
いまだに多くの人々の頭にあるのです。
 
 
 

中国の消費者は海外ブランドの女性用衛生品を信頼している

 

考え方が進化する中国女性

 
広州のフェミニスト団体、
ウーマン・アウェイクニング・ネットワークの
設立者リ・シパン氏はこう言います。
 
「多くのクリニックが
性行経験のある女性が
婚約者に自分が処女であると思れるよう
処女膜修復手術を行っています」
 
安徽師範大学3年の
ウー・デンマンさん(20歳)は、
「生理用品は自分の使いたいものを使います。
男の人が私の処女膜のあるなしを
どうこう思おうと気にしません」
 
「それに、タンポンを使うことで
保守的な女の人達にどう思われようと、
それも気にしません」と話します。
 
ウーさんは、安徽省で生まれ育ち、
その他大勢の中国人女性と同様に
貞操を守ることを重んじる環境で成長しました。
 
同省の観光スポットとして最も有名なものに、
女性の純潔を記念する
メモリアルアーチがあります。
 
夫の死後に再婚しなかった未亡人をたたえ、
14世紀から20世紀にかけて
その地域を統治した地方政府が建立しました。
 
このような性に対する
古風な考え方は今でも見られます。
 
さらにウー氏は、
高校の生物の教科書には
男性器しか掲載されていないこと、
そして彼女が16歳のときに
タンポンの使い方を
インターネットで調べたと話してくれました。
 
ウーさんは
タンポンを使用していることを
母親には話していないとのことで、
中国でのタンポンの使用が
現実の問題である様子がうかがえます。
 
 

信頼性が高い欧米の女性用衛生用品

 
しかし、タンポンの利用率が上昇している理由が
文化・思想の変化だけとは言えません。
 
中国製の生理用ナプキンの
安全性を懸念して
外国製のタンポンに
切り替える中国人女性もいます。
 
2年前、中国製のナプキンに
発ガン性物質である
蛍光剤が含まれていたという
事実が表沙汰となりました。
 
そのため、中国人消費者は、
信頼性の高い
欧米の女性用衛生用品ブランドに
切り替えつつあります。
 
 

フランス企業の参入

 
中国が
タンポンを受け入れる変わり目にあると察した
フランス人企業家のジェレミー・リゴー氏は、
2012年に上海で
Wishuという
タンポン製品ブランドを立ち上げました。
 
WIshuは、
フランスやイタリアのメーカーから
タンポンを買い付け、
Wishuのロゴを貼付し、
JD.comなどの
オンラインプラットフォームを通じて
中国で販売しています。
 
 
 

まとめ

 
中国における女性衛生用品市場について
経緯、実態、取り巻く環境などを紹介しました。
 
この市場には
中国の教育や
中国人の考え方などが影響してきましたが
ここにきて変わりつつあるようです。
 
成長が見込まれる女性衛生用品市場も
美容、食品、ベビー用品と同様
中国人は海外製品を信用しています。
 
海外製品がさらに成長するのか
中国企業も参入するのか
これからの中国女性衛生用品市場に
興味があるところです。
 
 
 

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参考記事はこちら
MORE THAN $7.6 BILLION SANITARY PAD MARKET IN CHINA

「この記事はmarketingtochina.comの許諾を得て編集/翻訳(抄訳)/執筆しています。」

 

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