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【連載第1回目】 本気の越境ECは情熱のロジスティックスから 〜京東の挑戦〜

2018.07.23
Category: 取材記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
Googleが5.5億ドルを出資するという
ニュースで日本での知名度が
一気に上がった京東(ジンドン)
中国ではすでにハンパない存在です。
JD.com京東日本株式会社の
日本業務最高責任者である荒井伸二さんにお話を
伺う機会を得たので、
京東の原点から今後の戦略までを考察してみます。
 
 
 

Googleが5.5億ドルを京東(ジンドン)に出資

 
数年前まで、中国では通販で買い物をすることは
冒険でした。
本物が来るのか、販売元はまともか、
本当に保証はあるのか・・一切分かりません。
クレジットカードが普及していなかったので、
基本は代引き。スマホを買うとすれば、
いつ来るか分からないのに、数万円分の現金を
用意しておかなければならない。
 
ネットで注文した数日後、
突然、宅急便が来ます。
お世辞も清潔とは言い難い若者です。
 
「開けろ」と彼は言う。
開封して本物っぽいと確認すると、
「動作確認しろ」
SIMカードを入れて動作を確認すると、
「サインしろ」と伝票を差し出す。
サインして、伝票を現金とともに渡す。
彼は不機嫌そうに受け取り、無言で立ち去る
・・・まあ、こんな調子です。
 
お互いに信用しないのが大原則。
信用できるのは、スマホのブランドと現金だけ。
 
「京東の創業者である劉強東
(リゥ・チァンドン)の故郷は
江蘇省の田舎です。
買い物にも不便だったので、
『不安なく買い物できる環境を提供したい』
という思いで、事業を立ち上げたそうです」
(荒井さん)。
 
当時の田舎であれば、
近代的なスーパーマッケットなどはなく、
テレビや雑誌の通販で買い物をしても、
到着までに数週間はかかったでしょう。
もちろん、途中で壊れたり盗まれたりする
リスクもあります。
 
「劉強東は当初から『偽物を売らない、
迅速に届ける』をモットーにしており、
『世界で最も信頼される会社になる』という
夢に向かっています」(荒井さん)。
 
劉強東は、1998年に光ディスク関連製品の
販売代理商として北京の中関村で創業。
2003年に新型肺炎SARSが
流行したことを機に、実店舗の経営から
Eコマースへと一気に舵を切った。
田舎の買い物環境のことが
ずっと頭にあったはずです。
 
その後、デジタル家電、携帯端末、衣料、
化粧品などに商材を拡大。
2013年に 360buy.com から
JD.com にブランド名を変更し、
2014年5月22日にナスダックに上場。
いまや3億人の顧客アカウントと16万人の
従業員を擁し、流通額22兆円、
株式時価総額6兆円を誇る巨人に成長しました。
 
そして、世界の度肝を抜いたのが
今年(2018年)の6.18。6.18とは
6月18日。京東の創立記念日です。
 
京東は2010年から、この期間にセールを
実施しており、その後、国美在線
https://www.gome.com.cn)、
T-mall
(天猫商城、https://www.tmall.com)、
アマゾン中国
https://www.amazon.cn)、
1号店
http://www.yhd.com)など
他のECサイトも追随。
6.18は11.11(11月11日の
「独身の日」)に並ぶECイベントと
なっています。
 
京東は、この期間(2018年6月1日から
18日)に2.7兆円を売り上げました
(前年比約35%増)
「昨年のアリババの11.11が
2.9兆円だったので、
それに迫る規模になりました。
 
ちなみに、昨年の11.11は、
京東は2.2兆円でした」(荒井さん)。
楽天の1年間の流通額
(2017年度国内EC流通総額:3.4兆円)
の約8割をたった半月で売りさばいたのです。
 
「特に好調だったのが生鮮食品で、
昨年の3倍になりました。
サッカーのワールドカップ効果もあります。
ビールとザリガニで観戦する方が多いので、
ビールの某ブランドは昨年の8倍も売れ、
食用ザリガニはなんと3,300万匹も
売れたんですよ」(荒井さん)
ザリガニ受難の時代です。
 
京東のユーザーはかなり若いとのこと。
「スマホでのアクセスが90%以上ですね。
メインは、80年代~90年代生まれで、
20代~30代です。
特に、95年以降生まれの23歳以下の
ユーザーだけで22%になります」
(荒井さん)。
ユーザーが若いということは、
今後の伸び代も大きいということです。
 
今年の6.18セールは、
Borderless Retail
(無界小売)というコンセプトが
実現されたことでも話題になりました。
オンラインとオフライン(実店舗)を融合させ、
いつでもどこでも快適に買い物できる環境を
提供することを目指す構想です。
 
今年の6.18では50万軒の店舗と連携し、
大きな成果を上げたという。
「店舗でオンラインのクーポンが
使えるようにしました。
また、店舗に在庫がない場合は
京東から送るので、
店舗の在庫が少なくてすみます。
 
これらの結果、ウォールマートの
オンライン売上は4倍になりました。
永輝スーパーは売上が5倍になりました」
(荒井さん)。
京東の快進撃は、
中国の小売業界全体を塗り替えているのです。
 
 
 

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