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【連載第2回目】 社員が運ぶ、先進の物流体制

2018.07.24
Category: 取材記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国では圧倒的なプレゼンスを
得ている京東(ジンドン)。
前回に続いて、JD.com京東日本株式会社の
日本業務最高責任者である荒井伸二さんに
お話を伺いながら、考察を続けてみます。
 
 
 

中国で圧倒的なプレゼンスを得ている京東(ジンドン)

 
1回のセールの売上が2.7兆円というのは
桁外れですが、驚くのはまだ早い。
本当にすごいのは「京東の物流を
選択したデリバリーは、その90%以上が
当日か翌日に配達されました」(荒井さん)
ということです。
 
ユーザーは北京や上海などの
大都市だけにいるのではありません。
中国全土です。
上海の隣の江蘇省や浙江省でさえ、
少し奥に行くと、小さな集落が
平野に散在するのみ。
そして幹線から分かれて延々と続く農道。
平野の向こうには山。
 
このような光景が繰り返し延々と続いているのが
中国です。
翌日に届けると言っても、
スケール感は日本とは全く異なります。
 
この責務を担っているのは、
京東物流という子会社。
集荷センターは無人化が進められており、
フォークリフトによるピッキングやトラックへの
積み込みが全て自動化されています。
 
ドローンや無人配送車による配送にも
チャレンジしており、
自社開発したドローン小型機を
標高5,000m以上のエベレストでも
テストして成功させました
(2018年6月26日)
 
中国ECではアリババと京東が二大巨頭ですが、
スタート地点は異なります。
アリババはB2Bのマーケットプレイスを
嚆矢としているのに対して、
京東はB2Cのダイレクト販売としてスタート。
C(消費者)が相手だからこそ、
京東は「本物。迅速なデリバリー」を
モットーとし、この実現に全力を傾けてきたのです。
 
「たしかに、地方への取り組み方が
アリババとは違いますね。
劉強東には『地方と都市との橋渡しをしたい』
という思いが強い。
また、流通の中間搾取も排除したいようです。
そこで、1トンまで搭載可能なドローンも
開発中です」(荒井さん)。
 
ドローン以外にも、AI開発や無人倉庫、
無人貨物トラック、無人レストランなどに多額の
投資を行ない、ロジスティックスの
拡充・効率化に余念がありません。
 
また、中国鉄路(鉄道)、ヤマト(国際物流)、
海航集団(航空)などと次々に提携するほか、
ドイツ・ハンブルクと中国・西安を
繋ぐ定期貨物列車の運行も開始
(「移動倉庫」と名付けている、
2018年5月11日)。
 
Borderless Retail では、
自社店舗を展開するほか、
「大潤発」と「欧尚」のブランドで
計450店舗を運営する高鑫零售
(サンアート・リテール)にも出資しました
(2017年11月20日)。
 
国内に張り巡らせた物流ネットワークでは、
「ラスト1マイル」にかける情熱が並外れています。
「全国に7,000拠点あり、配達スタッフは社員です。
 
毎回同じ人が配達してくれるから、
ユーザーは安心です。
アフターサービスも受け付けています」(荒井さん)。
アリババを始め、他のECサイトは
社外の宅急便会社に委託しているので
配達員までは管理できません。
 
ユーザーとの接点がブランドイメージに
大きく影響するのは、
どのビジネスにも共通する点。
となると、配達員のモチベーションを
どのように上げるかも重要になります。
 
「『社会的にいいことはやるべし』
という方針だけを与え、あとはデリバリーを
担当する社員に任せています。
だから、配達途中で困っている人が
いれば助ける。
 
災害時には援助活動に優先的に参加する。
このようなことを自主的に判断しており、
いちいち会社に許可を取らなくてもいいんです」
(荒井さん)
自ら考える若い社員が大勢いる、
これも京東の貴重な財産の一つです。
 
ここまで徹底して物流体制を構築するためには
巨額の投資が必要です。
実際に長年赤字が続いており、
2017年にようやく黒字化を達成しました。
「当初から『偽物排除』『信頼重視』の姿勢を
貫いているので高コストです。
 
黒字化したのは、中国の所得向上が寄与した面が
大きいですね」(荒井さん)
そもそも一定の規模に達しないと
収益化しないモデルであり、
ついにその規模に到達した、ということです。
 
これまでも京東は国内外の投資会社や投資家から
積極的に外部資金を取り入れてきました。
また、単なる出資ではなく、
戦略的パートナー網も
急ピッチで構築しています。
 
WeChat(微信)を
運営するテンセント(騰訊)とは顧客データを
統合運用し、ウォールマートとは会員システムを
共通化するなど、経営の根幹に関わる提携です。
さらに、チーム京東にグーグルも加わりました。
共同で国際小売市場を開拓を行うという、
これも重要な提携です。
 
スペイン語サイトを開設したり、
インドネシアやタイで
プラットフォーム立ち上げたり、ベトナムの
ECプラットフォームに出資したり、
など海外市場開拓にも熱心で、
インドネシアでは顔認識のアルゴリズムを
活かして世界初の無人スーパーを
オープンしています(2018年6月18日)。
 
今回のグーグルとの提携により、国際化が
より加速するでしょう。
 
 
 

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