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電商法施行の直前情報。越境Eコマースは、代購業者を飲み込んで成長する?

2018.12.14
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
越境Eコマースと一般の商品貿易とは、
どこに区別があるのでしょうか。
そして越境Eコマース業者と代理購入業者の
違いとは何でしょう?
 
そして話題の電商法
(2019年1月1日施行予定)よってこれらの
関係はどう変わるのでしょうか。
よくわからないことはたくさんあります。
以下、最新の報道を参照しつつ、
可能な範囲で解明していきたいと思います。
 
 
 

電商法の内容と見解

 

1. 税収政策の調整

 
ネット辞書によると、越境ECとは、
一般貿易とは違い、同一の取引主体間で
行うものではありません。
ネット通販プラットフォームを通して、
取引と決済を行う。
国際物流を利用する一種の国際商業活動、
とあります。
 
一般貿易と同じように正規の通関処理を行い、
必要な輸入関税は収めているわけです。
 
代購とは、中国現地では
(安く)買えない海外商品を、代理で購入し、
クーリエ(国際宅配便)またはハンドキャリーで
持ち込みます。
 
その主体は仲介機構、個人事業などパターンは
さまざま。と書いてあります。
こちらは税関のチェックに
ひっかかるという不運に遭遇しない限り、
関税など収めません。
 
この代購は、巨大な産業と化しています。
当初は在外中国人や留学生の小使い稼ぎから
始まったものですが、すぐに組織的、産業的な
段階にまで達しました。
しかし関税に関して、国家の歳入には
大きな穴が開いています。
 
1月1日施行の電商法とは、これらの状況を、
当局の考える方向へ正そうとする動きの
一環です。
 
当局はアメも用意しています。
全国35カ所の「越境電子商務総合試験区」
にある越境EC企業のうち、輸出企業に
対して新規の免税措置を
与えることを決めました。
輸出奨励です。
 
電商法はムチの代表です。
越境ECに対する税収政策の調整といっても、
実際は代購業者に幅広く徴税の網を
かぶせるのが目的です。
以下最新の当局や弁護士の見解を
ピックアップしてみます。
 
 

2. 当局による直前談話

 
12月上旬、商務部、財政部、
海関総署(税関)の責任者たちが、
越境ECに対する政策の解説を行いました。
 
それによれば、政策の第1のポイントは、
高品質の商品を望む消費者が、
供給サイドの改革を促した結果で、
それをフォローするものだそうです。
どういう意味でしょうか。
 
まず限度内ゼロ関税の商品を
政策的に拡大します。
これは最大63の課税商品項目に
及ぶといいます。
ただし1回、2000元(3万2600円)~
5000元(8万1500円)の
範囲に限ります。
 
そして1年の累計では2万元~
2万6000元までとなります。
さらに非課税範囲を増やすべく、
15カ所の越境電子商務試験区において実験を
行うそうです。
つまり規定の範囲内なら、非課税範囲を増やし、
消費者の期待に応えるというわけです、
 
第2のポイントは、業界発展の奨励です。
2017年、越境ECの輸入は566億元、
前年比75.5%の増加、
2018年1~10月は672億元、
前年比53.7%も伸びています。
当局は、この勢いは持続させる、
水をさすつもりはない、としています。
 
ただし、越境EC関係者それぞれの責任を
より明確化させ、自主管理の強化を
促しています。
 
当局は電商法の施行直前に際し、
このような発言をしています。
1は代購業者に対し、免税商品を増やす代わり、
免税範囲超えはしっかり徴税します、
という意味でしょう。
それよりも代購業者にとって致命的なのは、
総額を規制されたことです。
 
2は、正規の越境EC業者への転業を
促しているといえます。
 
 

3. 弁護士の見解

 
次に、電商法の研究をしている弁護士の
見解を見てみましょう。
 
電商法の適用除外となるのは、自家製の農産品、
家庭手工業産品、個人利用のための技能、
許可を得た労務活動、許可の要らない零細な
交易活動などに限られます。
 
つまり、ほとんどの代購業者が、
新法の対象となります。
工商登記と税務登記を行った上、
発生する納税義務を果たす必要があります。
 
ただし、家族や友人に頼まれた範囲の
“零細少額”の物品を持ち込むケースまで、
登記が必要というわけではありません。
しかし零細少額の具体的基準は、
まだはっきりわからず監督管理当局による
明確化を待っているところです。
 
したがって弁護士も代購業への影響は、
完全には見通せていません。
ただし代購業の価格優位性は失われる、
とはっきり指摘しています。
 
また国家の越境Eコマースを支持する姿勢は
明確で、電商法は中小企業や個人による商活動を
禁止するものではない、と見ています。
 
ただし、電商法の規定を守れば、
代購のアドバンテージは失われます。
同じ条件となった個人事業主や小企業が、
大手業者を相手にやっていけるのでしょうか。
結果は目に見えています。
 
 
 

まとめ

 
どうやら当局は、ゆっくりと越境EC業界の
“整頓”を進める腹のようです。
実際にどのような運用がなされ、
地域によって濃淡が出るのかどうか、
そして当局の思惑通り、
税収は上がるのでしょうか。
 
また正規の越境EC業者は代購業者を飲み込み、
商圏を拡大し、さらなる繁栄の
ステージに入れるのでしょうか。
1月1日は大注目です。

参照
http://www.mofcom.gov.cn/article/difang/201812/20181202814804.shtml
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1616878121282289088&wfr=spider&for=pc
 
 
 

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