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滴滴、京東、美団が人員整理。アリババは噂を否定。2019年はIT巨頭の明暗くっきり?

2019.03.14
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国最大のライドシェア(配車アプリ)
滴滴出行が15%の人員カット、
京東が副総裁クラスの幹部を10%をカット、
美団はたった3分の面談で300人をカット、
アリババは人員カット撤回など、年末年始、
IT巨頭の裁員(人員カット)がネットを
騒がせました。
 
以下、実情を探ってみましょう。
 
 
 

中国IT巨頭の裁員(人員カット)の実情

 

1. 滴滴出行の2000人カット

 
滴滴は事業をスタートさせて実質6年に
すぎません。
しかしそれは、実に目まぐるしい時間でした。
タクシー業界との確執、交通当局との折衝など、
新業態のトップランナーとして、
数々のハードルを乗り越えます。
 
それらが一段落し、2016年8月、
優歩(Uber中国)を買収したとき、
地位は盤石と思われました。
ところが、2017年、美団打車の挑戦を
受けます。
さらにカーシェアリングの発展など、
競争環境は新次元に入りました。
 
そんな中、昨年5月には河南省・鄭州市、
8月には温州市で、滴滴のドライバーが
殺人事件を起こします。
いずれも若い女性を狙い、
社会に大きな衝撃を与えました。
 
そのため滴滴は9月8日から15日まで、
深夜11時から翌朝5時まで営業を休止し、
同時に交通運輸部など政府10部門による
合同調査チームによる監査を受け入れました。
その後、順風車(相乗りサービス)が
無期限停止に追い込まれるなど、
業績に影響を与えます。
 
急拡大に伴う組織のひずみも
明らかとなりました。
60件を超える不正が摘発され、
83人が処分されました。
 
2018年、滴滴は初の黒字を
計上する予定でしたが、その夢は潰えました。
2000人(従業員の15%)規模の
人員カットは、
避けられないリストラのようです。
 
 

2. 京東の幹部10%カット

 
京東は2月のグループ新年会の席上、
副総裁級以上の幹部10%を“淘汰”する、
と宣言しました。
京東の従業員は約18万人、
そのうち淘汰対象者は、
数10人~100人とみられます。
 
京東は、業務の「小集団、大業務」型への転換を
推進しています。
人的資源を有効活用すれば、
十分組織の活力を維持できるという考えです。
 
第三者機関は次のように見ています。
 
1 京東は過去10年の急拡大により大企業の
“通病”に陥っている。業務内容に比べ、
人員過剰による効率低下は明らかだ。
各事業部が自らの山脈を形成している。
 
2 グループ企業を含め、副総裁級の高級幹部が
多すぎる。彼らは古株が多く、
入社当時の“戦闘意欲”を欠いている。
 
3 マクロ経済の減速圧力、ネット人口ボーナスの
消失など、外部環境が悪化している。
 
こうした環境下、高級幹部の“既得権益”を
排除するには、幹部そのものの数を
減らすしかないという考えです。
末端の従業員はむしろ増やす予定です。
冬をしのぎ、新たな勢いを取り戻すため、
避けられないリストラという理解のようです。
 
 

3. 美団3分でクビ

 
美団の人員カットは、
引継ぎもなく3分間の説明だけで放り出された、
というSNSの文面が有名になり、
一人歩きしている感があります。
 
300人以上カットした上、
離職票の発行など不誠実だった、
として非難する論調も目立ちます。
少し対応をまずったようです。
 
某サイトは、やはり3つの原因を挙げています。
 
1 美団は欠損を出している。
余剰人員を抱える余裕はない。
しかし社交電商(共同購入)の新規事業に
手を出した。
ライバルは、拼多多、蘇寧、など多数。
 
2 買収した業務がうまくいっていない。
シェアサイクルの摩拜はその典型で、
買収前より収益力が落ちている。
ライバルは、ofo、
アリババ系ハローバイクなど。
 
3 主力業務のフードデリバリーは、
ライバルのアリババ系、餓了蘑との消耗戦で、
少なくない財力を消費した。
それにもかかわらず、シェアを失っている。
 
美団の場合、どの事業もライバルは強大です。
人員カットは、追い込まれたという感触が
否めません。
 
 

4. アリババは余裕

 
昨年末には、アリババでも人員カットが
噂されました。
しかし張勇CEOは、新年の内部会議で正式に
否定します。
 
それどころか、継続して各分野の人材を招聘し、
人材の教育訓練計画を強化する、
同時にさらに多くのプラットフォームを投入し、
新たな就業機会を創造する、
と真逆の内容まで表明しています。
 
アリババと滴滴、京東、美団との最大の違いは、
財務基盤です。
アリババは2018年10~12月期決算で、
45億ドルの利益を計上しています。
これに対し、他の3社はいずれも欠損を
抱えています。
 
 
 

まとめ

 
創業者経営者は、事業が踊り場に来ていても、
単なる一過性の夕立ちに過ぎない、
と思い込みがちです。
 
自らの正しい立ち位置を認識し、
マイナーチェンジできるかどうか。
2019年は赤字の3社にとって、
厳しいものになりそうです。
中国のIT業界全体が、
踊り場に差し掛かっているのかも知れません。
 
 
参照
http://finance.sina.com.cn/chanjing/gsnews/2019-02-22/doc-ihqfskcp7489081.shtml
http://3g.163.com/dy/article/E8DET2KA0514BOS2.html
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1620877869763463719&wfr=spider&for=pc
 
 
 

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