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オンライン化の進む中国の旅行業界、トップ企業・携程(シートリップ)は好調にみえるが

2019.03.24
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
2018年、中国の出入国者数は
6億5000万人(国家移民管理局データ)、
前年比9.9%増加しました。
中国国籍者は、5億6000万人、
全体の86.1%を占め、
前年比12%のプラスでした。
 
これで15年連続の増加です。
しかしデータには、香港、マカオ、
台湾も含まれ、中国内地の人は
3億4000万人です。
これら3地区との活発な往来が
2億2000万あるのです。
 
 
 

中国オンライン旅行業界トップ、携程(シートリップ)

 
観光目的の出国者数は1億5000万人、
14.7%の増加でした。
これらのデータを念頭に、
中国のオンライン旅行業界を
分析しようと思います。
今回はトップ企業、携程(シートリップ)を
取り上げます。
 
 

1. リーディングカンパニー、携程の決算は好調

 
中国のオンライン旅行会社のトップ、携程は、
上海虹橋空港の近くに、
まるで連合艦隊のような本社ビル群を
構えています。
いかにも羽振りよさそうに見えます。
17都市に支店を持ち、
2万5000人以上の従業員を抱えています。
 
3月上旬、携程は2018年の決算を
発表しました。
売上は310億元(5160億円)、
前年比16%増でした。
 
年間のGMV(一定期間の契約総額)は
7250億元、こちらは30%の伸びです。
これはブッキングドットコムやエクスペディアの
伸び率を上回っています。
 
310億元の内訳を見ていきましょう。

 売上構成比前年比

交通チケット129億元42%6%増

宿泊116億元37%21%増

旅行業務38億元12%27%増

商用管理9.8億元3%30%増

なお国際業務比率は30~35%で、
全体より3倍のスピードです。
年間を通じての売上高利益率は80%で、
2017年の83%から若干下落しました。
 
 

2. ユーザー数は4億1000万人だが

 
中国互聯網絡信息中心の、
第43次インターネット調査報告によると、
2018年末における、オンライン旅行会社の
ユーザー数は、4億1000万人です。
前年比9.1%、3423万人増加しました。
 
構成は、鉄道切符42.7%、
ホテル予約30.3%、航空券予約27.5%、
旅行商品14.5%となっています。
交通チケットとホテルは72%です。
 
携程はこれが79%と全体の数値を上回ります。
予約が取りやすい優れモノという単純な
評価でよいのか、それとも企画商品が弱いのか、
これは微妙なところです。
 
確かに携程は、国内国際を問わず、
航空路線の予約状況、
価格を調べる際のスタンダードとなっています。
そのナンバーワンの座は、安泰なのでしょうか。
これに対する関心は高く、
多くのサイトが分析を加えています。
代表的なものを2つ挙げてみます。
 
1 携程は2015年、同業の「去哪児網」を
傘下に収めて以来、交通チケット、
ホテル予約部門では、すでに行き詰まっている。
 
トップであるがゆえに、
キャンセル料のトラブルや、
対応のまずさなど風評を受けやすい。
さらに航空会社からの反発を受けたこともあり、
営業体制の刷新が必要である。
 
2 美団酒店、飛猪、同程芸龍、途牛など独自の
強みを持つ強敵の存在。
例えば美団酒店は、ホテル延べ宿泊数では、
携程を大きく上回る。
 
美団酒店のバックには美団点評が、
飛猪にはアリババが、
同程芸龍にはテンセントが控え、
総合生活サービスとしては、彼らに敵わない。
 
設立以来20年、オンライン旅行業界の
トップを走ってきた携程は
“老大帝国”になったと表現するメディアも
あります。
 
美団、アリババなどの
“スーパープラットフォーム”の進出には、
焦りを隠せないようです。
特にアプリを使いこなす若年層を
奪われているのは痛手です。
 
 

3. 新しい携程モデルへの道

 
携程の高い評価の要因は、
安定して売上を伸ばしてきたこと、
コスト管理に優れていたことです。
しかし今後は、アプリの総合化も
必要となります。
実際に新分野への投資を表明しています。
 
1 2018年4月には、カーシェアリングに進出、
天津市交通部から
「網絡予約出祖汽車線上服務能力認定」を
取得した。
 
2 同じく4月、米国の超音速機メーカー、
ブーム・テクノロジー社に出資。
 
3 2019年2月には、百度との提携を発表、
百度クラウドを観光業に利用し、
業務のソリューションを図る。
 
超音速機など今更流行るのかという疑問や、
AIの採用が遅れているのでは、
という疑念は残ります。
 
新規以外の突破口は海外業務です。
国際航空券と海外ホテル予約は
40%ペースで伸びています。
目標は、現在の構成比30%台前半の
国際業務比率を、5年以内に40~50%台へ
持っていくことです。
 
しかし、これも海外の非常に強力なライバルとの
闘いになり、やはり、いばらの道に見えます。
 
 
 

まとめ

 
2019年第一四半期は
売上18~23%アップを目指しています。
定評の安定した業績が保てるかどうか、
他社に勝る新モデルを打ち出せるかどうか、
今年は正念場となりそうです。
次回は、美団、アリババなどライバルについて
見ていきます。
 
 
参照
https://www.toutiao.com/a6665548739781853700/
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1627136772082292523&wfr=spider&for=pc
 
 
 

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