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 IT巨頭・テンセント、小売り巨頭・家楽福(カルフール)の救命に成功?

2019.03.29
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国では、2017~18年にかけて、
実体店舗小売企業の再編が大きく進みました。
すでにテスコ(英国)や
ロッテマート(韓国)などは撤退を決めました。
 
今回の再編は、残された内外の企業が、
アリババ系、またはテンセント系の傘下に入り、
IT巨頭の手を借りて生き残りを図った、
という側面の強いものです。
 
 
 

カルフール中国の中身

 
さきごろテンセントの出資を受け入れた、
世界大手、カルフール中国の決算が
発表されました。
まだ評価を下すには、早いかもしれませんが、
気になるその中身を覗いてみましょう。
 
 

1. カルフール中国、成功の歴史

 
カルフール(フランス)の創業は1958年、
世界30以上の国と地域に
店舗網を持つ小売業の巨頭に成長します。
中国には1995年に進出しました。
 
国際水準の管理モデルを持ち込むとともに、
顧客にはワンストップショッピングを提供し、
先進的なビッグストアとして、
中国各地に受け入れられます。
 
2015年の従業員数は38万人、
翌2016年には中国全土で263店舗と
マックスに達します。
中でも、上海古北店は、カルフールの
世界ナンバーワン店舗として繁栄を
謳歌しました。
 
日本人出張者、駐在員たちにもおなじみの
店です。
カルフール独特の段差のない緩やかな
エスカレーターに、
客の姿は途切れませんでした。
 
カルフール成功のカギは、
“本土化”にありました。
従業員の99%、商品調達の95%は中国産で、
しっかり現地の文化と環境に寄り添っています。
この姿勢は、中国小売業の現代化や、
地域経済の発展に多大な貢献をした、
と高く評価されました。
 
 

2. 社会の激変に乗り遅れ?

 
2013~15年にかけて、店舗スクラップを
行ったこともあり、カルフールの店舗数は、
停滞します。
そしてこの間、機構改革を行いました。
全国10カ所にあった地区商品部を
6カ所に集約しました。
 
そして2015年5月、テンセントと戦略提携、
WeCatPayを導入します。
翌2016年には、6カ所の物流センターを
開設し、ネット通販事業に乗り出します。
 
この時期は、ネット通販が猛烈な勢いで
拡大しています。
またスマホ時代の到来とともに、モバイル決済、
配車アプリ、シェアサイクル、
フードデリバリーなど新しいサービスが勃興し、
時代の景観が変わります。
 
この間、実体店舗企業は、旧態依然のイメージに
覆われてしまい、売上も低迷して行きます。
機構改革は少し遅きに失した感が否めません。
そして2016年、アリババの
ジャック・マー会長は、
新零售(ニューリテール)の概念を提出します。
 
これ以後、ネット通販の主導で、
実体店舗企業の取り込み、再編、
改造が本格化ました。
 
カルフール中国は、こうした状況を横目に
2017年を通じて考え続けたことでしょう。
同年、売上は480億元を計上しましたが、
利益はわずか3200万元に留まり、
赤字の瀬戸際まで追い込まれていました。
そして2018年1月、テンセントの
出資受け入れを発表します。
 
 

3. 2018年、OMOへ舵を切り、利益は11倍に激増

 
そのカルフールの2018年決算が、
先ごろ発表されました。
それによると利益は3億5000万元、
前年の11倍へ、劇的に改善しました。
救急救命措置は成功したようです。
 
積極的に市場の変化を受け入れ、
不断の改革を行ったとしていますが、
具体的には何を行ったのでしょうか。
 
2018年5月、“新概念店”
Le Marche上海天山店を
オープンしました。
 
生鮮、飲食、輸入食品、有機食品を
看板商品として、セルフレジ、虹彩識別支払い、
小程序(ミニプログラム)スキャン
による購入方式、デジタル価格表示等の新技術を
取り入れています。
 
中でも、ミニプログラム中のカルフールアプリで
スキャンして支払う、
新しいクイックペイメントには注目です。
すでに1400万のユーザーが
利用したそうです。
セルフレジも2019年3月には
全店導入を終え、デジタル化が進展しています。
 
ネット通販では「家楽福網上商城」が
全国50都市をカバーしました。
自前のシステム以外に、美団、餓了蘑、
京東到家、の3つの宅配業者を使い、
1時間以内宅配を目指しています。
 
またダイソンなど有名インショップの導入や、
「極鮮工房」という厨房からフードデリバリーを
行う、新OMOサービスの展開も開始しました。
 
 

4. 勝負の2年目

 
カルフール中国はテンセント傘下に
入った1年で、大きくOMOへ舵を切りました。
それが利益の11倍増に直結したのは
間違いないでしょう。
 
しかしどれをとっても、
他社に先行する目新しさは見当たりません。
やっと世間に追いついた、
これまでに培った信用がまだモノを言っている、
というところでしょう。
 
 
 

まとめ

 
3月上旬にはさらに進化した
Le Marcheの2番店、深圳保利店が
オープンしました。
提携2年目の今年は、
真の勝負の分かれ目となりそうです。
 
 
参照
http://www.360doc.com/content/17/0305/03/7237018_634049376.shtml
http://www.hyqcw.com/news/xf/2019/0301/xf012912160.html
https://www.sohu.com/a/218447873_99895934
 
 
 

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