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日本の小売り巨頭は、中国市場で生き残れるのか?イオン編

2019.04.1
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
1990~2000年代にかけ、
世界の小売り巨頭は、
こぞって中国に進出しました。
 
ウォルマート(米)、カルフール(独)、
テスコ(英)、メトロ(独)、
ロッテマート、Eマート(韓)、
大潤発(台湾)、パークソン(マレーシア)等
です。
 
日系は、イオン、イトーヨーカドー、マイカル、
平和堂等が出店しました。
 
 
 

イオンの中国戦略

 
現在、小業界の状況は当時とはガラリと
変わっています。
 
とくにここ数年、新零售(ニューリテール)の
進展は、眼にも止まらぬスピードです。
看板だけで通用する時代は去り、
実際に次々と合従連衡が進行しています。
日系大手は、どのような中国戦略で
臨むのでしょうか。
まずイオンを見ていきましょう。
 
 

1. 中国の店舗網

 
現在の中国店舗網は次の通りです。
 
広東省(広東永旺天河城商業有限公司)
広州市を中心に23店舗
 
広東省(永旺華南商業有限公司)
深圳市を中心に8店舗
 
山東省(青島永旺東泰商業有限公司)
青島市を中心に6店舗
 
浙江省・江蘇省(永旺華東商業有限公司)
蘇州市を中心に5店舗
 
湖北省(永旺湖北商業有限公司)
武漢市に5店舗
 
北京・天津(永旺商業有限公司)
北京・天津に9店舗
 
以上56店舗です。
さらにグループ食品スーパーの
マックスバリューが広東省と浙江省・江蘇省、
コンビニのミニストップが山東省で展開中です。
 
広東省、山東省が先行し、北京・天津と
続きました。
浙江、江蘇、湖北省への出店は、ごく最近です。
 
北京の永旺中国投資有限公司
(イオンチャイナ)が全土の統括会社です。
進出したグループ会社、イオンモール、
イオンファンタジー、イオンディライト、
トップバリュー等も管轄し、
また、店舗数の多い広東省には品質管理の
拠点を置いています。
 
 

2. 山東省のイオン

 
山東省を詳しく見ていきましょう。
運営会社の青島永旺東泰商業有限公司は、
1996年、イオンと青島市供銷社との
共同出資で設立されました。
中日合弁の大型商業実験案件として、
国務院の批准を得た、
当時の国家級プロジェクトでした。
 
そして1998年に旧市街と新市街に2店舗を
出店します。
青島市は、新市街店舗のために道路整備まで
行いました。
その甲斐あってこの「青島東部店」は、
すぐにイオンの世界ナンバーワン店舗に
成長します。
 
来店客は平日2万人、休日は4~5万人、
駐車場には近郊から来た観光バスが
整列していました。
 
もう1つ印象的な店は、旧市街の対岸、
黄島開発区の黄島店です。
この店は2012年9月の尖閣問題の
反日デモの際、暴徒により破壊されました。
同じく被害を受けた湖南省・長沙市の
平和堂とともに、
反日デモの象徴事例となります。
 
しかし3週間で全面再開にこぎつけ、
当時の社長は「辞めた従業員は1人もいない。」
と胸を張りました。
日中関係の酸いも甘いも知り尽くした会社です。
 
しかし少なくとも、青島市内で3店舗、済寧市で
1店舗閉店していて、
つまずきも多々ありました。
済寧のケースでは対応がまずかったようで、
新聞ダネになりました。
失敗してもびくともしなかったのは、
東部店の莫大な稼ぎのおかげでした。
 
 

3. 京東到家と提携

 
2016年1月、上海にアリババの
新零售モデル店「盒馬鮮生」がオープンし、
時代はOMOに大きく方向を変えます。
 
イオンチャイナも、早くからネットスーパーに
取り組みました。
ただしそれは日本流の定時配送に近く、
30分~1時間での宅配を競うOMOとは
別ものです。
 
その一方、2016年1月から
「京東到家」と組み、OMOの実験を
開始します。
1年半後の2017年5月、京東到家を
導入した店舗のオンラインGMV
(一定期間の契約総額)が、
前年比1028%に達した、と発表しました。
 
これ以後、提携店舗は増加していきます。
しかし、同時にOMO関連のニュースは、
パタリと途絶えます。
 
 

4. 新時代への対応は?

 
イオンは、日本モデルを中国、
東南アジアに移植することに熱心でした。
例えば、中国各地でPB商品
「トップバリュー」の社内向け展示会を
開催するなど、日本国内と全く同じ手法を
取っています。
しかしグループ外までは、
思うようにいきません。
 
2019年、中国小売業の中心テーマは、
① OMO
② 社交電商または社区団購(共同購入)
③ 越境Eコマース
の3つです。
 
実体店舗はサブの位置付けで、
これは巨大モールといえども同じです。
とくに②の共同購入は、ネット通販の進化形、
または個人事業の発展形として、
中国小売業を大きく革新しつつあります。
 
とくに地方都市では猛威を振るっています。
巨大都市では、フードデリバリーを含むOMOが
一般化し、やはり実体店舗の存在感は
低下しています。
巨大商業施設は、物販の比率が低下し続け、
飲食と時間消費型サービス業を
増やすしかありません。
 
 

5. 形にとらわれず

 
中国には、店舗開発のイオンリテール、
メンテナンスとマネージメントの
イオンディライト、アミューズメントの
イオンファンタジーが進出しています。
 
したがって、デベロッパーと
テナントソーシングに徹し、
直営売場にはこだわらない、という選択も
ありえます。
 
またトップバリュー社は、越境Eコマースを
展開してもよいかもしれません。
形にさえこだわらなければ、イオンチャイナは、
新しい時代にも対応できそうです。
それは日本のイオンモールと
同じ形ではないでしょう。
 
 
参照
http://www.linkshop.com.cn/web/archives/2017/379418.shtml
https://baike.baidu.com/item/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B0%B8%E6%97%BA%E9%9B%86%E5%9B%A2/5744198?fr=aladdin
 
 
 

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