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越境Eコマースも人材不足時代が到来か?成長継続のカギに浮上。

2019.04.19
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
前瞻産業研究院(北京)のデータによると、
中国の2017年、越境Eコマース
(以下越境EC)取引額は7兆6000万元
(124兆3000億円)、
前年比20.6%伸びています。
 
 
 

中国越境EC人材不足、業界の現状

 
さらに毎年16.4%ペースで伸び続け、
2020年には12兆元に達すると見られます。
巨大な市場空間が口を開けているのです。
しかし、それも運営する人材があってこそです。
越境ECにも人材不足が
深刻になってきたようです。
業界の現状を探ってみましょう。
 
 

1.越境ECの苦境、2020年に人手不足100万人?

 
昨年発表された
「2017年跨境電商行業
人材管理調研分析報告」によれば、
扱い高12兆元が予想される2020年には、
100万人の人手不足が見込まれています。
単なる不足にとどまらず、
頻繁に会社を換わる者が多く、
機密保持にも大きな影響が出ています。
 
実際に背筋の寒くなるケースが多発しています。
例えば某有名越境ECでは、
2018年に採用した新規従業員の52%が
流出しました。
 
その他従業員も23%流出しています。
これでは、定員30人の職場は、
実質常に50人を確保することが必要です。
定員52人の職場なら、52%いなくなれば、
27人が脱落します。
 
試用期間3ヵ月間の賃金が5000元
(8万2000円)とすれば、
3X5000X27=40万5000元もの
労働コストが、水泡に帰すわけです。
 
 

2.現状の問題点

 
一般に中国企業は、即戦力ばかり求め、
人材育成にはあまりコストを
かけてきませんでした。
発想の転換が必要です。
現状の問題点は、次の3点です。
 
1 一般的に越境EC企業の新人訓練は、
ベテランの指導により、
操作や技術を覚えるだけだ。
ベテランは継続して監督する義務はなく、
新人には一度身に付けたスキルを
見直す機会はない。
 
2 ベテランから授けられた技術や経験は、
大部分が口述によるものだ。
マニュアルとして文章化されず、
会社の資産として管理されていない。
 
例を挙げると、某社のベテランA氏は、
5項目の業務運営に関わる“秘訣”を
持っていた。
A氏の離職後、リーダーとなったB氏は、
部下のC氏に対し、
4項目しか伝授することができなかった。
能力不足のためである。
 
そしてC氏は、部下のD氏に
3項目しか伝えられなくなる。
こうして会社のスキル全体が経時劣化していく。
 
3 多くの越境EC企業において、
教育方針は単一だ。
職種に応じて細分化されておらず、
さらに従業員のレベルにも対応していない。
未経験の新人に対する訓練マニュアルは、
ebayやアマゾンにはあるが、
中国企業にはない。
 
対象に応じた方法で教育を施すこともできない。
試用期間の終了と同時に、
会社と従業員の間には溝が広がり、
すでに早期退職は時間の問題になっている。
 
 

3.新人訓練の改革

 
それでは、どうすればよいのでしょうか。
次の2つを指摘しています。
 
1 専任インストラクター制
 
新人の配置と同時に、
部門業務に精通したインストラクターを
貼り付け、マンツーマンで指導する。
インストラクターは新人の育成に責任を負う。
そうすれば具体的業務内容を、
効率的に学ぶことができる。
 
インストラクターは新人の状況、
学習状況に応じた指示を出す。
OJT
(on the job traininng)
である。
これは新人の自発的な学習も促すことができる。
 
2 集中訓練と合わせ、訓練効率のアップ
 
訓練には、部門と職能の2つの面がある。
そのためときには、企業内部の集中訓練を
行うのも効果的だ。
これによって経験豊富な従業員たちの知識を
共有できる。
 
訓練の日付け、地点、名称、内容は、
新人にも一目瞭然にしておく。
集中訓練によって、学習の進行度に合わせた、
合理的な事業計画の策定が可能となる。
 
 

4.カギはやはり人手不足

 
日本には、企業はゴーイングコンサーン
(存在し続ける前提)という合意があります。
ところが中国では、労働者はもとより、
経営者でさえこの意識は希薄でした。
どちらも、いつ仕事を放りだすかわからない、
危うさがありました。
しかし、経済社会の成熟により、
それも変わりつつあります。
 
 
 

まとめ

 
今回、指摘された内容は、
日本企業には経験済みのものです。
中国では、ようやく長期安定雇用に向けた
取組みが始まりました。
それ以外、人員を確保する方策が
なくなってきたからです。
 
アリババはネット通販の将来を見据え、
2014年に「淘宝大学」という
オンライン教育プラットフォームを
立ち上げました。
求職サイトの「淘工作」と連動することで、
採用時点から、オンラインによるバックアップの
体制を整えています。
さすがはアリババです。
 
一方、越境ECでアリババ(天猫国際)に
首位争い挑むネットイース
(易網厳選、易網考垃)は、業績は好調ですが、
900~1400人規模の人員整理に手を
つけました。
業務に支障はないのでしょうか。
 
いずれにせよ2019年の中国越境ECの
発展は、人手不足がカギを握り、
一筋縄ではいかないようです。
注意深く、見ていきましょう。
 
 
参照
https://www.cifnews.com/article/42401
https://baike.baidu.com/item/%E6%B7%98%E5%B7%A5%E4%BD%9C
 
 
 

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