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中国5大AIプロジェクトって何?選定から1年、米中貿易摩擦の焦点に。

2019.05.29
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
2017年11月中旬、中国国務院科学技術部は
「新一代人工智能発展規画重大科技項目始動会」
を開催し、「自動運転」「城市大脳」
「医療映像」「智能語音」という4つの
“国家新一代人口智能開放創新平台”
すなわちAIプロジェクトが選定されました。
 
 また始動会では
「新一代人工智能発展規画推進辯公室」
「新一代人工智能発展規画諮問委員会」の発足を
決議します。
 
 
 

中国5大AIプロジェクトを検証する

 
目標は2030年に、人工智能分野で世界の
最先端を占めることにあります。
まさに国家プロジェクトです。
さらに翌2018年9月、5つめとして
「智能視覚」を追加しました。
最初の選定から1年半、
プロジェクトを検証してみましょう。
 
 

1. 自動運転、委託先・バイドゥ(百度)

 
バイドゥ自動運転事業部によれば、
自動運転開発には、ハード(車)、教育、都市、
開発者の4要素が重要ということです。
2017年3月、バイドゥはApolloと
名付けた開発プラットフォームを
外部に開放しました。
以来7回にわたり更新を繰り返し、
現在ではApollo3.5段階に達しました。
 
バイドゥは、収集した膨大なデータは
惜しみなく提供しつつ、100億元投資、
100社の提携企業という“双百計画”を
推進しています。
また教育にも力を入れています。
大学など高等教育機関と提携するとともに、
一般向けにも自動運転の教材も提供しています。
 
 

2. 城市大脳、委託先・阿里雲

 
アリババ達磨院城市大脳実験室は、
城市大脳の産出する、
都市ビッグデータ進行に対する“感知力”は、
従来のモデルを大きく突破した、
と表明しました。
難しい表現ですが、簡単に言えば、
AI予測の精度が上がったということでしょう。
 
城市大脳は、応用、智能、データ、
計算の4つのプラットフォームから成り、
都市交通、医療、治安、環境、観光、法規、
平安、民政の八大領域の計算、データ、
管理モデルなどをアウトプットします。
応用では、交通、安全、市政でとくに
成果を挙げています。
 
 

3. 医療映像、委託先・テンセント(騰訊)

 
「騰訊覓影」は、テンセント内部のAIラボ、
優図実験室、架構平台部などAI関連部署の
能力を結合した医療AI産品名です。画像識別、
ビッグデータ、ディ―プラーニングなどの
先進技術を融合させました。
 
テンセント医療事業部によると、騰訊覓影は、
AI映像プラットフォームと
診療補助ツールから成り、大腸癌、肺癌、
乳腺癌、子宮癌および眼病の5大疾病を
中心に診断をしています。
 
乳腺癌の識別率は87%、
良性腫瘍における特異性の識別率は
94.5%に高まり、着々と成果を
上げているようです。
 
 

4. 智能語音、委託先・科大訊飛

 
科大訊飛の研究院によれば、
同社の智能語音プラットフォームは
すでに170以上のAI能力を
シェアしているということです。
300の語音合成パターン、
35万の応用パターン、
10万の個人音声パターン、そしてすでに
1日あたり10億以上の処理をこなしています。
 
識別ミス率は6年連続で下降し、
この間に30%向上しました。
方言の識別能力でも、23種類の方言を
カバーできるようになりました。
この1年でサービス利用回数は34.3%、
登録開発者数は46.9%と
大きく伸びています。
 
 

5. 智能視覚、委託先・商湯科技(センスタイム)

 
10ヶ月遅れで昨年9月に指定された
第5プロジェクトです。
同社副総裁によれば、2018年から、
新しい智能視覚オープンプラットフォーム建設に
着手しました。
計算システム、学習システムともに
国際水準を保ち、智能視覚技術と商業との結合を
目指しています。
 
その中心は、商湯独自開発の
Sense Parrotsと呼ばれる
プラットフォームです。
ディープラーニングを中心に、
ビッグデータ学習、複雑な応用技術を
サポートしています。
 
商湯の商品は、①基礎設備(計算センターなど)
②端末、③オープンプラットフォーム、
④応用分析の4つで、自動運転、
スマートシティ建設などに採用されています。
それと共に、教育事業、国際的AI人材の
育成にも注力しています。
 
 

6. 国家関与

 
国家資本主義とは、一般に国家が国営・
国有企業などを通じて市場に積極的に介入し、
経済発展を目指すスタイルを指します。
そして中国はその代表と見做されています。
米中貿易摩擦において、この国家関与は、
焦点の一つとなっています。
 
アリババやテンセントなどIT巨頭は、
次々に新事業を開発してきました。
石油、建設、鉄道、電信などの従来業態の
国有企業とは、一線を画した存在です。
しかしこうして国家プロジェクトを委託され、
資金も含めた支援を受けていれば、
世界の受ける印象は、
大して変わらないでしょう。
 
中国は体制の根幹に関わることは譲れない、
と繰り返し表明しているようです。
そうしているうちに、5大AIプロジェクトは、
米中間の技術覇権を占うシンボリックな
存在となりました。
その進行状況に対する注目は、
ますます高まることになりそうです。
 
 
参照
http://tech.ifeng.com/a/20190511/45596965_0.shtml
 
 
 

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