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外売少哥って何?中国ニューリテールの担い手は、重労働のバイク便ドライバーたち

2019.06.4
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国では、2013年以降、
キャッシュレス(モバイル決済)、
シェアエコノミー(配車アプリ、
シェアサイクル、フードデリバリー)が
急速に普及しました。
 
 
 

中国フードデリバリー市場の現状を分析

 
その渦中にあった2016年、
アリババのジャック・マー会長は、
新零售(ニューリテール)を提唱、
オンラインとオフラインの融合を
目指すと宣言します。
 
ニューリテールの核心はデリバリーにあります。
それはすぐにフードデリバリー市場と
オーバーラップしていきます。
激しい配送員の奪い合いが始まりました。
中国市場の現状を分析し、
日本についても触れたいと思います。
 
 

1. フードデリバリー市場

 
まず中国の飲食業と、フードデリバリー市場の
規模から見ていきましょう。
(飲食業売上/フードデリバリー売上/構成比)
 
2015年 3兆2310億元  458億元  1.4%
2016年 3兆5799億元  1663億元 4.7%
2017年 3兆9644億元  3000億元 7.6%
2018年 4兆4591億元  4712億元 10.6%
 
つまり外食産業の10.6%が、
事務所や家庭へデリバリーされています。
次は利用者です。
(利用者数/ネットユーザー比)
 
2015年 1億1400万人  16.5%
2016年 2億0900万人  28.5%
2017年 3億4300万人  44.5%
2018年 4億0600万人  49.0%
 
昨年は、全ネットユーザーの半分が
フードデリバリーを利用した計算です。
市場シェアは、
美団外売…64.1%、飢了磨…25.0%、
飢了磨星選(旧百度外売)8.7%、です。
美団はテンセント系、飢了磨はアリババ系です。
結局、この両者で業界を支配しているのです。
 
 

2. ニューリテールの戦い

 
またニューリテールでも両者は、
激しく争っています。
テンセントは昨年3月、
「智慧零售戦略合作部」を発足させ、
出資した小売企業との関係を調整しています。
例えば出資したメンズショップ「海瀾之家」の
宅配を、美団が行う、などが実現しました。
 
アリババは自ら実験的スーパー「盒馬鮮生」を
出店するとともに、出資企業には、
アリババ流の大改造を加えています。
そしてこちらでも盒馬に
出店したスターバックスのコーヒーを、
飢了磨が配送するなど、
新たなコラボレーションが生まれています。
 
これらは、30分から1時間の配送を
競っています。
しかし、経営幹部の打ち出す新戦略も、
ドライバー抜きには成立しません。
トップシェアの美団外売の勤務実態は、
どんなものでしょうか。
 
 

3. 過酷な労働の実態

 
彼らは一般に「外売少哥」と呼ばれています。
公式職業名の「送餐員」よりは、
親しみがこもっています。
2018年第四四半期、美団外売には
60万人のドライバーが、飢了磨には
300万人の“登録”ドライバーが
存在しています。
 
彼らの75%は農村地域の出身者で、
80后、90后が82%を占めます。
1日平均48回の配達をこなし、
走行距離は150キロ、そして70%は、
労働者の基本的権利は尊重されていない、
と感じています。
 
2014年からこの仕事をしているTさんの
月収は、4000元です。都市にもよりますが、
それほど低収入というわけではありません。
しかし、食事や寮などの福利はなく、彼は、
毎年貧しくなる一方だ、と感じています。
 
もう1人、1年前に辞職したDさんは、
忙しい時間帯には、3キロ圏内6つの
異なる地点に、45分以内で
配達していたそうです。
1日の勤務は13時間を超えていました。
体力は限界に達し、
離職するしかなかったと語っています。
 
ある関係者はこうした現状を改革するため
① 合理的な報酬と福利体系 
②休憩時間の確保 ③人間としての尊厳、
が必要としています。
 
中国最先端の業界は、
過酷な労働に支えられていました。
やがて限界に達するのは自明の理です。
 
 

4. 日本に浸透するか?

 
無人配送のシステムの開発を急いでいるのは、
こうした背景があるからです。
しかし当面は、人間の待遇改善に
努めるしかありません。
 
日本でも、dデリバリー、出前館、
楽天デリバリー、LINEデリマ、
Uber Eats、などのアプリが
登場しました。
 
しかし、中国のように自前の“出前代行”部隊を
持っているのは、ごく限られたアプリと
その都市部のみです。
従来からの出前文化の延長線上にあり、
まだ中国とは、業態の意味合いが
異なっています。
 
中国では、労働者をなだめすかして、
何とか日本円6~7万円のコストで
使っています。
これは日本なら、朝刊の新聞配達アルバイトと
同水準です。
しかし、これで1日13時間も
働かせるわけにはいきません。
 
労働コストの高さは、日本市場最大の
ネックです。
ただし、日本ではライドシェア(配車アプリ)が
発達していない分、アイドルモビリティを
活用できるかも知れません。
中国とは、まったく異なった
フードデリバリー産業が発達する可能性は、
無きにしも非ずでしょう。
 
 
参照
http://www.askci.com/news/chanye/20190412/1105081144666.shtml

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1634202275661435086&wfr=spider&for=pc

 
 
 

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