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中国、電商法施行後6ヶ月、代理購入に復活の兆し。カギはWechatのグレードアップ?

2019.06.14
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
2019年1月1日、中華人民共和国電子商務法
(以下電商法)が施行されました。
ネット上の店舗にも、実体店舗同様に、
法の網を被せるものです。
具体的目標は、法律の枠外に置かれ、
自在に振舞う代理購入(以下代購)の
取り締まりです。
 
 
 

中国電商法の現状を分析する

 
電商法は、日本のインバウンド消費にも
一定の影響を与えたようです。
中国では半年を経過し、代購は谷底へ落ちた、
いやいや復活の途上だ、
など議論が盛んに行われています。
実際にはどうなのでしょうか。
現状を分析してみましょう。
 
 

1. 電商法によるブレーキ

 
代購はもともと留学生の小使い稼ぎから始まり
“産業化”していったものです。
参入の敷居が低く、リターンの高い代購は、
多くの個人や小企業をひきつけました。
市場調査機関・智研咨詢の発表によれば、
2017年、中国の小企業従業者数は
2000万人でした。
 
これが2024年には、5200万人になると
予測されています。
多くの人が流入した結果、代購業は
“野蛮な成長”を遂げました。
 
それに伴い、問題も噴出します。
本来なら国庫に収まるべき関税の“漏税”や、
ニセモノ販売の被害、個人情報の流出などです。
電商法は時代の要請でもありました。
 
電商法により、通関は厳格となり、
ネット通販の出店者にも商工業者としての登録が
義務付けられました。
無関税で持ち込んだ商品を、
アリババのC2Cサイト「淘宝」などで
転売することが難しくなったのです。
 
 

2. 情熱衰えず

 
施行されたばかりのころ、
ほとんどの個人事業主や代購業者は、
眉間にしわを寄せていました。
代購業に大きな一撃が加わったのは、
間違いありません。
 
そこで代講業者たちはWechat(微信)の
活用に向かいました。
Wechatのユーザー数は11億、
中国最大のネットインフラです。
もともと個人間取引の
プラットフォームとしても、
愛用されていました。
 
モバイル決済Wechat Payと
連動しているため、極めて便利なのです。
中国人はWechatを通じたモノと
お金のやりとりに慣れています。
 
代購業者たちは、親しみやすいお馴染みの
“手書き描画”の手法を用いて
Wechat朋友圏に進入しました。
通話機能、図表、外国文字などを駆使して、
巧みに代購情報を発信していきます。
しかし、当初は、これら情報へのアクセスは
伸びませんでした。
 
6ヶ月後の現在はどうなっているのでしょうか。
経済メディア「北京商報」は、
朋友圏内の代購情報は、
依然にも増して頻繫となり、
“猖獗を極めている”と表現しています。
 
某代購業者によれば、少なくない業者が
朋友圏において“正常営業”をしています。
また某留学生も、国外留学生たちの代購熱は、
爆発的なエネルギーを持続している、
と述べています。
 
 

3. 監督管理“難”

 
どうしてそのような状態に
なっているのでしょうか。
 
天津市の某弁護士事務所は、
「電商法でいう電子商務経営者には、
個人または小グループによる代購も含まれ、
額の大小は関係ない。
Wechatに依拠した代購といえども、
管理監督の範囲のはずである。」
という見解です。
 
したがって事業の登記が必要です。
ただし、自家の農産品、家庭手工業品、
公益のための許可を受けた労務提供、
少額の交易活動に関しては、登記の必要はない、
ともあります。
しかし、少額の交易活動と個人代購との境界は、
あいまいで、いろいろな解釈が可能です。
 
もう一つは、管理監督部門が複数に
及ぶことです。
実際に誰が主体となって摘発し、
違法と判定するのか。
そしてどのような罰則を科すのか。
統一見解の下に、
コントロールされているわけではありません。
 
こうした当局側の実態が明らかとなるにつれ、
一旦、逼塞していた代購業者たちが、
活動を再開させているのです。
 
 

4. Wechatの進化

 
一方で、Wechatの進化も重要な要素です。
2016年に開始したミニプログラム
(小程序)によって、
いちいちダウンロードすることなく、
アプリの利用が可能となりました。
 
使い勝手の向上を受け、
急成長する企業が出てきます。
その一つ、共同購入型ネット通販の拼多多
(ピンドゥドゥ)は、設立後わずか3年で
ナスダック市場への上場を果たしました。
 
また昨年以来、欲しいものリストから
発展した「好物圏」が発展を続けています。
これはWechat内の友人同士で、
互いの好きな商品をシェアできます。
 
信頼に足る有効な広告手段となります。
さらに商品検索機能を強化することで、
SNSの枠を超え、自らが
ネット通販プラットフォーム化しています。
 
こうしたWechatの取引ツール化に対して、
代購業者に限らず、
誰にでも“商機”があるとして、
各ネットメディアは、競うように解説記事を
載せています。
 
 
 

まとめ

 
法律のあいまいな境界、当局側の人手不足と、
不統一、Wechatの進化によって、
一時息をひそめていた代購は
復活しつつあります。
 
中国人の商売好きは、
法律によって抑えられるものではなく、
その点では予想通りの展開と
言えなくもありません。
代購は死なず、形を変えてどこまでも生き残る。
それを確認した半年間だったのかも知れません。
 
 
参照
http://finance.ifeng.com/c/7n5pHF5baiE

https://www.toutiao.com/a6693734053792711172/

 
 
 

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