グローバルマーケティング(テクノロジー&広告)のニュースに特化したニュースサービスサイト(βversion)


養老金って何?それは中国の年金のこと。企業の納付率低く、年金財政は大ピンチに?

2019.06.20
Category: 執筆記事
執筆者/編集担当者: nakajima

 

はじめに

 
中国の養老金とは、
日本の年金のことをいいます。
日本にも養老年金という言葉はありますが、
普通はあまり使いません。
 
 
 

中国の年金制度

 
日本は、年金制度の維持に四苦八苦しています。
現在も消費税と並ぶ、政治の焦点です。
中国では、どのような年金制度に
なっているのでしょうか。
制度の持続性に、問題はないのでしょうか。
検討してみましょう。
 
 

1. 養老金の構成

 
中国の退休年齢(定年)は、
1978年の全国人民代表大会で、
男性60歳、女性幹部55歳、女性50歳と
定められています。
 
しかし、世界で最も若い退職年齢の
規定となってしまったこと、
今後の労働力不足への懸念から、
2015年以降、定年延長が議論されています。
少しずつ延長していくと見られます。
 
現在の養老金(以下、年金)の構成は、
以下の通り2階建てです。
 
① 基礎年金…退職時、
当該省の前年度月間平均賃金X
(1+本人平均納付指数)÷2X納付年限X1%
 
② 個人年金…退職時、
本人年金納付累計総額÷規定の月数。
 
規定の月数とは、退職時年齢50歳…195
55歳…170 60歳…139、などと
40歳~70歳まで細かく定められています。
 
 

2. 養老金の納付

 
最も発展している一線級都市の一つ、
深圳市の場合、社会保険の負担は
どれくらいになるのでしょうか。
(深圳市戸籍の場合)
 
養老保険…22%(企業14%、個人8%)
医療保険…8.2%(企業6.2%、個人2%)
生育保険…0.45%(企業0.45%)
失業保険…1.5%(企業1%、個人0.5%)
工傷保険…0.14~1.14%、
危険度により8分類。企業負担のみ。
 
1ヶ月の給与を4000元
(約6万3000円)として、
実際にいくら引かれるか
シュミレーションしてみましょう。
 
深圳市の平均賃金は7480元、
最低賃金は2160元です。
しかしIT関連の高給取りが多く、
全体を押し上げています。
実際にサービス業などで4000元程度の人は、
ごく普通に存在しています。
 
4000元を表に当てはめていくと、
会社負担は877.56元、
個人負担分は420.1元となり、
合計1297.97元です。
 
4000元の場合、社会保険はほぼ1300元、
32%以上になります。
年金は880元で、社会保険料の68%を
占めています。
 
ただこれには大きな問題があります。
「中国社会保険白書2018」によれば、
これら社会保険を、規定通り納付していた企業は
27.1%しかないのです。
 
地方の中小企業オーナーは、
いつ辞めるとも知らない従業員に、
こんな経費をかけたくない。
自身にしても事業を
いつまで続けるかわからない。
 
従業員側も将来の備えより、
現在の給料に上乗せしてくれた方がよい。
と労使による“暗黙の合意”が
形成されているケースも多々あります。
 
 

3. 養老金の給付

 
次は給付です。
かつてはいい加減そのものでした。
特に地方公務員は、在職年数に関わらず、
何歳で退職しても、
給与同等の年金を受け取れるという、
特権階級だったようです。
“鉄椀飯”と言われる所以です。
 
そこで、2005年からは年金支給の正常化に
向けた機構と制度の調整を進めてきました。
その成果として現在に至るまで、
支給額の15年連続アップを実現しています。
2005~2015年までの11年間は
毎年10%も上昇しています。
 
さらに2014年10月には、「養老金並軌」と
呼ばれる改革を実施しました。
これは日本と同じように、公務員年金と
厚生年金を統合を図ったものです。
約3倍あった官民格差を縮小し、
年金財政の健全化を図るため、
避けて通れない改革です。
 
そのため、2024年10月までを過渡期とし、
この間の退職者は、2014年10月の
算定標準を適用します。
 
その結果、2016年からの支給の伸び率は
6.5%、2017年5.5%、2018年と
2019年は5%と下降しています。
 
 
 

まとめ

 
最後にもう一度、問題をまとめてみましょう。
 
○社会保険料率が32%と高い上、
企業負担分が3分2(日本は2分の1)
と大きい。
企業の納付率が低く、
徴税漏れは2兆元に及ぶとされている。
 
〇給付水準の問題。
1人当たり平均2012年の1721元から
2019年の2768元と順調に伸びていたが、
今後上昇率は鈍る。
日本同様高齢者は急増しているため、
政治問題化しやすい。
 
〇年金財政改善のため、定年延長は緊急の課題。
しかし、なぜか動きは遅い。
 
○地方政府が莫大な社会保険資金を
運用するため、問題が起こりやすい。
かつては上海市書記が
不正利用により失脚している。
 
中国の年金制度とその問題点は、
いずれも日本の後追いになっています。
しかし改善への動きは、
まちまちのように見えます。
 
政治的配慮で緩急を
つけているのかも知れません。
それでも日本ほど制度の煮詰まっていない分、
まだ改善の余地は大きそうに見えます。
 
 
参照
http://baijiahao.baidu.com/s?id=1603121233520868495&wfr=spider&for=pc

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1619065093054018477&wfr=spider&for=pc

 
 
 

ADKによる中国市場ウェブマーケティングサービスについて

 

ADKでは、中国市場における
ウェブマーケティングサービスを提供しております。
ご興味のある方は、
お問合せフォームよりお問い合わせ頂けると幸甚です。

   

・本記事は情報提供を目的として株式会社アサツーディ・ケイ
 (以下「弊社」といいます。)
 が作成した記事であり、特定の金融商品の推奨
 (有価証券の取得の勧誘)
 を目的とするものではありません。
・本記事は、弊社が信頼できると判断した情報等に
 基づいて作成されていますが、弊社がその正確性・完全性を
 保証するものではありません。
・本記事に記載された過去のデータは、将来の結果を示唆あるいは
 保証するものではありません。
・本記事に記載された見解は情報提供を
 目的とするものであり、いかなる投資助言を提供するものではなく、
 また個別銘柄の購入/売却/保有等を推奨するものでもありません。
・記載された見解は記事作成時点のものであり、
 将来予告なしに変更する場合があります。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

Global Marketing Laboの更新通知を受け取る

当サイトの記事を1週間に1通のペースで更新情報や新着記事情報をお届けします。
下記のフォームにメールアドレスを入力してください。

更新通知を受け取る

当サイトの記事を1週間に1通のペースで更新情報や新着記事情報をお届けします。
下記のフォームにメールアドレスを入力してください。

▲ページTOPに戻る